
日本は地震大国と呼ばれ、2011年3月に発生した東日本大震災など多くの地震災害が発生、近年では台風や豪雨などによる災害も多く、災害に対する意識も年々高まっています。災害発生時、企業が従業員や来訪者の安全を守るためにも事前の備えは必要不可欠です。そこでオフィスに備えておきたい防災アイテムについてご紹介いたします。
企業の防災備蓄とは
東京都は東日本大震災による鉄道等の運行停止等により、多くの帰宅困難者が発生したことを重く受け止め、2013年4月に「東京都帰宅困難者対策条例」という防災備蓄に関する条例を施行しました。
従業員1人当たりに必要な防災備蓄品の量
東京都は条例のなかで、従業員1人当たりに必要な防災備蓄品の数量をつぎのように示しています。
首都直下地震対策大綱 中央防災会議が定めた「首都直下地震対策大綱」において、発災後3日間程度を応急対策活動期としていること、また、発災時の被救助者の生存率は4日目以降激減することから、発災後3日間は救助・救出活動を優先させる必要があります。そのため、従業員等の一斉帰宅が救助・救出活動の妨げとならないよう、発災後3日間は企業等が従業員等を施設内に待機させる必要があります。
企業が準備すべき防災備蓄品の例 1人当たりに必要な備蓄品の例

1人当たりに必要な備蓄品 | 1日分 | 3日分 |
水 | 3リットル/人 | 9リットル/人 |
食料品 | 3食/人 | 9食/人 |
毛布 | 1枚/人 | 1枚/人 |
出典:施設内待機のための備蓄の確保|東京都防災ホームページ
最適な防災備蓄品・防災グッズ
必ず備えるべき防災備蓄品
上記の表を見る通り、水・食料・毛布の3種が帰宅困難者の施設内待機に必要であることがわかります。つぎに、具体的にどのような防災備蓄品や防災グッズが最適かをご紹介します。
水
地震や豪雨などの自然災害が発生した場合、大勢の人がコンビニやスーパーマーケットなどに殺到します。また、公的な支援物資が手元に届くまでには、多少時間がかかってしまいます。そのため防災備蓄品として、水や食料品をそろえておくことが賢明です。 水は1人あたり1日3L、それを最低でも3日分は備えておきましょう。
基本的に、ペットボトルの飲料水を備蓄品として利用することがほとんどです。特に長期保存タイプのミネラルウォーターが推奨されています。その中でも特に、誰もが飲み慣れている軟水が人気です。 通常の飲料水の賞味期限が2年程度なのに対し、長期保存水は5~10年程度持つとされており、防災備蓄に適しています。保管場所としては、日光などで傷まないように暗所に置いておくことをおすすめします。
食料品
食料品は1人あたり1日3食、水と同じく3日分そろえることが大切です。 備蓄用の食料品として代表的な、カンパンやアルファ米があります。 これらは加熱や調理の工程をほとんど要する事なく摂取でき、お腹に溜まりやすいため備蓄品として非常におすすめです。しかし、すべて主な成分が炭水化物のため栄養不足が懸念されます。 そのため、体調不良や病気のリスクを考えると、たんぱく質を摂取することができる魚介類・肉類の缶詰やビタミン剤・食物繊維を摂取することができる野菜ジュースや野菜スープなども備蓄しておくと安心でしょう。こちらも劣化を防ぐために、直射日光のあたらない場所で保管することをおすすめします。
毛布
季節を問わず、災害時の生存には暖を取ることが重要とされています。そのため、全身を包める毛布やカーペットを準備することが求められています。保管スペースを圧迫しないフリースなどの薄くて暖かい素材のものや、防災専用品のアルミポンチョなどがおすすめです。いざという時にとりやすい場所に保管しておくことが大事です。
オフィスに必要な防災備蓄品
オフィスにそろえておきたい防災備蓄品には、例えば以下の3つがあります。
医薬品
災害時は、医療機関を受診することが困難になります。従業員の健康状態を保つために、医薬品も必ず備えておきましょう。 また、持病のある従業員がいる場合は、普段から従業員本人に処方薬を常備するよう呼びかけておくことが大切です。
防災セット
オフィスの衛生環境と従業員の健康状態を維持するために、非常用トイレとトイレットペーパー、マスク、歯ブラシ、ひざ掛け、生理用ナプキンなど、最低限の衛生用品を備えておくことも大切です。併せてラジオやヘッドライト・簡易照明、非常用発電機なども、緊急時に使用できる状態で保管しておきましょう。そこでおすすめなのが、企業様向けの必要な備蓄品がすべて詰まった防災セットです。防災セットは種類も豊富で、価格によって内容量が異なるので一つ一つ比較をし、最適なものを選びましょう。
ヘルメット
地震発生時、すぐに頭に被るヘルメットは身近な場所に置いておく必要があるため、デスク周りが最適な場所です。マグネット式フックをデスクに貼り、ヘルメットを掛けておくと良いでしょう。 ただし、通常のヘルメットだと意外と大きく邪魔になることがあるため、コンパクトなタイプを選ぶことをおすすめします。また、常に同じ席に同じ人が座るとは限らないという場合におすすめなのがあご紐の調節が容易なコードストッパー式のものです。
