法人間でのお中元をいただいた際に欠かせないお礼状。きちんと書面で感謝の気持ちを伝えることがマナーとされています。
お礼状は、送るタイミングがとても重要。贈りものをいただいたり、お祝いの品をいただいたりしたときは、できる限りその日のうちにお礼状を送るのがベストです。いただいてすぐにお礼のお電話をすることもありますが、その後改めてお手紙やはがきでお礼状を送るとより喜ばれます。
こちらでは、お中元をいただいた際のお礼状の書き方について詳しく説明し、例文をいくつかご紹介いたします。

お礼状とは?

お礼状は、 相手の気遣いに対する感謝の気持ちを伝えるものです。また、品物を「確かに受け取りました」という報告の意味もあることを覚えておきましょう。お礼状を出す時期は、早ければ早いほどよいとされています。遅くても品物が届いてから2日~3日以内には贈りましょう。

お礼状を贈る際のマナー

ビジネスシーンにおいて、お中元のお礼状を目上の方に書くときや改まった内容の場合、縦書きが良いとされており、縦書きはフォーマルな印象を与えます。
また、横書きはカジュアルな印象を与えますので、身近なお相手などに送る時に適しています。マナー違反のお礼状は、相手を不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。きちんとお礼状のマナーを知り、正しく送ることで感謝の気持ちが伝わります。お中元のお礼状のマナーについて、正しい知識を身につけましょう。

送り方 ~はがき・手紙が最も丁寧~

お礼状の形式としては封筒に入れて送る「手紙タイプ」と「はがきタイプ」があります。より丁寧なお礼状にしたい場合は、手紙タイプが適しています。パソコンなどで作成することが主流となっていますが、できれば可能な限り手書きで書くことをお勧めいたします。手書きの方が、一筆一筆丁寧に書く必要があるため言葉のひとつひとつに重みが加わった印象を与え、よりお相手に好印象をもっていただけます。お礼状を複数の方宛に書かなければならない場合、すべて手書きは難しいかもしれませんがせめてはがきの宛名面や封筒に書くお相手の住所やお名前だけでも手書きで書くと良いでしょう。また、お礼状に使用する便せんやはがきは白無地にこだわる必要はありません。季節に沿ったデザインのものや和やかな印象をあたえるデザインのものを使用することで、お相手にさらに良い印象を与えることもできます。便せんやはがきにも少しこだわってみてはいかがでしょうか。

送る時期 ~お中元が届いたらすぐに送る~

通常、お礼状を出す時期は品物が届いたらすぐに出すことがマナーとされています。遅くても1週間以内にお礼状を送るようにしましょう。お礼状を送るのに最適な時期は短いため、タイミングを逃さないように気を付けましょう。お礼状を送る時期が遅れてしまった場合は、お礼状にお詫びの気持ちを伝える言葉を添えることで丁寧なお礼状になります。

形式 ~送る相手によって違う~

お礼状の書き方の形式は、送る相手によって異なります。仕事関係の方へお礼状を出す場合は、縦書きの形式で書くことが一般的なマナーです。また、相手が自分より目上の方の場合も、縦書きで書くことが一般的です。会社関係の方へはがきでお礼状を送る場合は、文面の最後にも差出人名を記載するとより丁寧な印象になります。

文面 ~頭語・結語は原則~

手紙の文面において、頭語とは「こんにちは」などの挨拶にあたり、一番始めの書き出しに書きます。結語は、「さようなら」などの挨拶にあたり、手紙の文末の最後に書く言葉です。頭語と結語には複数の種類があり、お礼状を出す相手との関係によって使い分ける必要があります。また、頭語と結語は2つで1組になっています。たとえば「拝啓」と「敬具」や、「謹啓」と「謹白」などです。頭語と結語の組み合わせを間違えないように、事前にしっかりと確認しましょう。

お礼状の正しい書き方

お中元のお礼状には、お礼状を送る相手にあわせた書き方などいくつかのマナーがあります。マナー違反のお礼状は、相手を不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。きちんとお礼状のマナーを知り、正しく送ることで感謝の気持ちが伝わります。お中元のお礼状のマナーについて、正しい知識を身につけましょう。

前文

お礼状本文の前の挨拶にあたる部分です。「拝啓」などの頭語から、季節を伝える時候の季語お相手の様子を気遣う言葉、または日頃のお礼の言葉で構成された部分です。

頭語

頭語とは、「拝啓」「前略」など、お礼状の書き出しに使用する言葉です。お礼状を書くお相手との関係性に合ったものを選ぶことがポイントです。一般的なお礼状には「拝啓」、あらたまったお礼状にはより丁寧な「謹啓」を選ぶとベストです。

季語(時候の挨拶)

頭語のあとに書く、季節を表現した書き出しの文が「時候の挨拶」です。時候の挨拶は、時期によって変化します。同じ月のなかでも、上旬、中旬、下旬で変化するため注意しましょう。お中元は、7月~8月にかけて届く地域が多いようです。7月は「大暑の候、盛夏の候、猛暑の候」、8月は「晩夏の候、立秋の候、残暑の候」といった時候の挨拶があります。

7月の季語
梅雨明けの候/向暑の候/仲夏の候/盛夏の候/炎暑の候/酷暑の候/猛暑の候/大暑の候/極暑の候
8月の季語
残暑の候/季夏の候/避暑の候/残炎の候/納涼の候/暮夏の候/晩夏の候/立秋の候/秋暑の候/向秋の候
7月書き出し文例
盛夏の候貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
猛暑の候貴社いよいよご隆盛のことと存じます。
炎暑の候貴社いっそうご隆昌のことと慶賀の至りに存じます。
大暑の候皆さまにおかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
極暑の候皆さまにはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。
酷暑の候貴社(○○様/皆さま)にはますますご壮健のこととお慶び申し上げます。
8月書き出し文例
残暑の候貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
季夏の候貴社いよいよご隆盛のことと存じます。
避暑の候貴社いっそうご清祥のことと慶賀の至りに存じます。
納涼の候 皆さまにおかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
立秋の候 皆さまにおかれましては益々ご壮健のこととお慶び申し上げます。
晩夏の候皆さまにはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。
秋暑の候貴社(○○様/皆さま)にはますますご壮健のこととお慶び申し上げます。
向秋の候 ・ご一同様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
・残暑お見舞い申し上げます。
7月の結びの文例
これからも、猛暑続きそうです。体にはくれぐれもお気をつけください。
暑さ厳しき折り、くれぐれもご自愛下さい。
暑さ厳しき折り、皆さまのご健康をお祈りいたします。
時節柄、お身体ご自愛下さい。
本格的な夏を迎えました。ご家族のご健康をお祈りいたしております。
暑さ厳しき折、体調をくずされませんようお元気でお過ごしください。
寝苦しい日が続いておりますが、おからだにはお気をつけてお過ごしください。
末筆ながら、皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
稲穂が茂るがごとく、社業が更にご発展されますよう心よりお祈り申し上げます。
貴社(○○様/皆さま)の一層のご活躍をお祈りいたしております。
何かとご多用とは存じますが、くれぐれもご無理などなさらないようご自愛ください。
まずは、暑中のお見舞いを申し上げます。

主文

起語と用件などのお礼状の本文にあたる部分で、お礼の言葉や自身の近況を書きます。

▶起語
主文の起語とは「さて」や「このたびは」などのここからが本題となることを告げるための書き起こしの言葉です。

▶用件
次に、お中元をいただいたことに対してのお礼の気持ちを書きます。 お礼状の用件はできる限り簡潔に書きましょう。ここでは、自分の感情を素直に表現したほうが、相手に気持ちが伝わりやすいようです。

末文

結びのあいさつと、最後に「敬具」などの結語で構成された部分です。

結びのあいさつ
お礼を述べたあとは、相手の健康を気遣う言葉を書きます。これは、結びのあいさつともいわれており、時期によって使い分けるものと1年を通して使用できるものがあります。

例:時期によって使い分ける結びのあいさつ
・炎暑の折から、ご自愛くださいませ。(7月)
・暑さ厳しき折、皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします。(8月)
例:1年をとおして使用できる結びのあいさつ
・末筆ながら、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

▶結語
結語は頭語と一対になっており、決まった組み合わせがありますので留意しましょう。頭語と結語はお礼状を書くお相手との関係性に合ったものを選ぶことがポイントです。

後付け

日付と差出人の名前、お相手の名前で構成された部分です。

▶日付
日付はお礼状を書いた日の正式な年月日を書きます。よく「吉日」と書くこともありますが、できればお礼状を書いた日付を書く方がベストです。

▶差出人名・宛名
差出人名と宛名は会社名・役職・名前をフルネームで書きます。宛名は差出人名よりも少し大きめにすることで敬意を表現する意味合いがあります。
ただし横書きのお礼状の場合は、お相手の名前は最後ではなく最初に書きます。

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